食に命を懸ける会

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命ちゃんのおいしい小噺

命ちゃんのおいしい小噺

味の和暦

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昔から、おめでたい食べ物の第一には「鯛」とされてきました。 「くさっても鯛」といわれるほど、日本人に好まれる鯛は、いにしえより食用とされ、 縄文人がマダイを食べていたことも考古学で推定されているとか。

 

鯛がめでたい魚として、あらゆる祝事のお膳に用いられるのは、一般には「めでたい」の「たい」に通じるからといわれていますが、
語呂合わせだけではなく、日本人にとって、鯛が魚の中で姿形・色彩・味わいが最も優れていると感じられるからでしょう。

 

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江戸時代の「本朝食鑑」に、鯛は魚類の第一のものと評価され、干鯛はおめでたい時の贈り物とするとされています。
お正月にはかけだい懸鯛(かけだい)といって、門松にわたした注連縄に干鯛を二尾かけ、ほかにも、茹でた海老、昆布、橙橘、白柿、裏白、譲葉(ゆずりは)などをかけたそうです。

祝い鯛「睨み鯛」と呼ばれる鯛をご存知ですか?
祝儀料理で出される鯛の姿焼きのことで、その場では箸をつけずに、折詰にして持ち帰ることからこの名前がつきました。
関西では、お正月に尾頭つきの鯛の塩焼きを飾り、三が日は箸をつけずにめでる風習が残っています。
お正月のお祝い膳には尾頭つきの鯛や酒肴の鯛を並べて、新しい年を迎えたいものですね。

 

山金水産「鯛の上総蒸し」

千葉県は天津小湊の鯛の浦。県魚としても有名です。
東京湾のかつら網漁法(鯛網)も歴史の中のひとつとされており、その昔、紀州和歌山県湯浅地方より、栖原角兵衛が房総の地、萩生村を鯛の魚場として選び、隆盛をきたし、後にそこの土着の漁民に与えられたその漁法は、地獄網として、根こそぎ魚を乱獲するため、昭和33年にご法度となりました。
その頃に比べると鯛も少なくなり、現在では紀州・串本産の特撰の活鯛を使用しており、皆様に大変好評いただいております。「鯛の上総蒸し」は現当主が7年がかりで生み出した鯛の旨みが堪能できる製法の逸品です。
※特許第3685483号取得

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魚辻「小鯛の笹づつみ」

若狭の国と呼ばれたころより、若狭湾では小鯛の漁がさかんで代表魚とされてきました。小鯛は湾内において、小型の底曳網と延縄漁で捕られます。 その昔、この小鯛を有効に利用しようと、地元の魚屋と京都の魚商が互いに知恵を出し合って、生まれたのが、若狭みやげの顔、「小鯛の笹漬」。小鯛を塩と酢でしめ、防腐効果のある笹と木樽に詰めて、遠く京へと運ばれました。

 

魚辻の「小鯛の笹づつみ」は、前浜の新鮮な小鯛を独自の製法でしめ、笹を敷き詰めた杉樽に、小鯛とごく薄切りの蕪を交互に漬け込んだもの。香り豊かで、小鯛の旨みと蕪のさっぱりした味わいは絶妙です。

 

また、自家製“秘密の味噌”に漬けた小鯛は、おめでたい時にいつでもすぐに召し上がっていただける「小鯛の若狭漬」です。 自家製“特別な味噌”に3カ月も寝かせた利尻昆布で巻いた若狭ぐじ「甘鯛みそ一風」など、若狭鯛にこだわる当主がすべて手作りしている酒肴の逸品です。

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